もの忘れ外来とは、「加齢による物忘れ」か「病気による物忘れ」かを診断し、治療する外来です。物忘れが疑われる症状が現れても、「年齢のせいだから」と病院の受診をためらってしまう方は決して多くありません。しかし他の病気と同様に、物忘れも早期診断・早期治療が非常に重要です。「もしかして認知症?」と思うことがあったら、できるだけ早めに検査を受けましょう。
早期発見の重要性
認知症は進行性の疾患のため、早期に発見し、適切な対応を行うことが非常に重要です。早期発見により、以下のような利点があります。
- 治療の選択肢が広がる:診断技術の進歩により、認知症が軽度の段階でも診断できるようになりました。特にアルツハイマー型認知症に関しては、発症前の段階である軽度認知障害(MCI)を発見して適切な治療を行うことで、発症を遅らせる効果も期待できます。
- ★軽度認知障害(MCI)とは?…認知機能の低下はあるものの、複雑な日常生活機能に軽度な支障をきたす程度にとどまっている状態。認知症とは診断されず、基本的な日常生活は保たれていることが特徴です。軽度認知障害の段階で適切な介入を行うことで認知症への進行を遅らせることができ、場合によっては元の状態に回復することが可能です。
- 生活の質を高めることができる:早期発見することでお悩みが深刻になる前に負担を軽減することができます。また、日常生活の自律性を長く保つことができたり、患者様自身が将来についての計画を立てやすくすることもできます。
- 適切な社会的サポートを受けることができる:今後起こりうる事象を予測し、その対応を家族が知ることで安心して暮らせます。専門医による診断を受けることで介護保険の申請などの社会資源の利用も可能になります。
このような症状でお困りではないですか?
- もの忘れの自覚がある
- 「いつも同じ事を聞く」「ものを置いた場所を忘れる」などのもの忘れがあると言われる
- バスや電車などの公共交通機関を利用した一人での外出が難しくなった
- 日用品の買い物やお釣りの計算が難しくなった
- 銀行や預貯金の出し入れが難しくなった
- 料理の手順がたまにわからなくなる、味付けが変わってくる
- 言おうとしていた言葉が出にくくなり、「あれ」や「それ」といった代名詞が多くなる
このような症状がみられる場合は、専門医の診察を受けることをお勧めします。
当院のもの忘れ外来では、日本老年精神医学会専門医・指導医資格を有する医師による診断、公認心理士・日本老年精神医学会認定上級心理士による詳細な認知機能障害の評価、血液検査やMRIやCTなどの画像検査も実施しております。お気軽にご相談ください。
みなさまによりよい生活を送れるようにお手伝いしていきたいと思っております。
こころの診療所 築地・新富町 スタッフより
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