強迫性障害(強迫症)の症状について
わかっているのにやめられない、いわゆる「とらわれ」による症状です。
- 鍵やガス栓を何度も確認してしまう
- 何度も手を洗わないと気が済まない
- 自分でもわかっているのに繰り返してしまう
鍵をしめたかという不安や不潔ではないかという恐怖が反芻することで強迫観念となり、それを打ち消すために確認、洗浄のみならず、儀式的行為の繰り返しをしてしまいます。
鍵の確認のせいで家から出れなくなってしまったり、不潔恐怖により日中の多くを手洗いに費やしてしまうなど、日常生活が大きく損なわれることが特徴です。
一度行為を行うと、一時的に安心しますが、再び「とらわれ」により、不安が強くなります。生涯有病率(一生に一度罹患する確率)は2.5%と頻度の高い疾患です。
治療について
まずは、症状を主治医と共有します。そして「とらわれ」の機制を理解します。確認や洗浄などの行為の裏にある、より完璧を目指したいという気持ちは誰もが有するものです。
それらの不安や完璧でなければならないといった気持ちは普遍的で誰もが有するものです。薬物療法も併用することもありますが、森田療法的なアプローチなどを併用することで、不安がありながらも日常生活を取り戻せるようにしていきます。
【参考文献】
Goodman WK, Grice DE, Lapidus KA, Coffey BJ. Obsessive-compulsive disorder. Psychiatr Clin North Am. 2014;37(3):257-267. doi:10.1016/j.psc.2014.06.004
Pittenger C, Bloch MH. Pharmacological treatment of obsessive-compulsive disorder. Psychiatr Clin North Am. 2014;37(3):375-391. doi:10.1016/j.psc.2014.05.006
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